「お題目」会議強制、日常業務は停滞・・なごやNPOセンター 続報 (広島瀬戸内新聞ニュース)

2008年 09月 09日 

労働者=経営者=出資者というスタイルで事業を進め、上下関係がなく、収奪がないはずの「ワーカーズコープ」。そのコープが指定管理者を受託している「なごやボランティア・NPOセンター」でついに労働基準監督署の調査までうける事態になっています。

 さらに、内部の事情に詳しい女性の利用者(利用者は圧倒的に女性が多い)や職員の方からの情報提供で、恐るべき実態が明らかになりました。

●組合員の「権利行使の会議」なのに「お題目」唱える「強制参加」

 松垣所長は、それまで自主的に毎週開催されていた職員の連絡会議を禁止し、勤務時間ではない日曜日の就業後に会議の日程を変更しました。

 松垣所長によると、「この会議はあくまで、組合員=労働者が経営に参画するための権利行使の場だ」、ということです。だから、この会議に出席しても、給料をまったくつけないのです。

しかし、勤務時間外に行われ、休日の人も参加を強制されています。
しかも、その会議は東京の本部から、幹部が何人もおしかけて見守る中『労協の原則』という文章を、ひたすらお経のように音読することを強制されるという、新興宗教かなにかと勘違いさせるような『儀式』で始まります。
このような儀式の強制は、グットウィルなどでも横行していたものです。グットウィルで働いていたこともある職員は、そのときの光景を思い出し『冷や汗が出た』と話していました。また、ほかの職員は『しかたがなく率先して読んでいるけど、正直、つきあっていられないと思う』と苦笑いをしていました。

この儀式めいた『会議』では、参加して意見をいってもまったく話し合われることがなく、無視して所長の用意した議題が強引に進んでゆくばかりか、意見をいう職員を暴力的に排除したりすることもあるそうです。

冒頭で行われる不気味な『原則読み合わせ』のほかは、すべてNPOセンターでの業務に関することで、業務の一環としか考えられない内容のものです。
この会議、トヨタ自動車でも問題となり、残業代が支払われることになった『QCサークル活動*1』と似ていると私は直感しました。

さらにおそろしいことに『業務時間外』であるにかかわらず、この会議の中で『業務命令』が出たりしています。給料の発生しないものに業務命令をしていおるだけで、すでに重大な法律違反ですが、さらには、会議に出席しないと『出席できない理由』の提出を強制されるとのことです。トヨタでもそこまでしているとはわたしは寡聞にして知りません。

●年度当初は職員の自主的な会議で業務が軌道に

年度当初、指定管理者を受託したワーカーズコープがなにも考えずに人員を集めたために、NPOやボランティア、中間支援組織のことについては、やる気はあっても素人の職員しかいませんでした。
この状態に危機感を覚えた職員達は、長く利用者だった人が、途中から職員として働き出したことを機に、以前の指定管理者と比較として、自分達の出来ていない仕事を確認する会議をもつはじめました。これが自主的な会議のはじまりです。
この会議が開催されるようになり、そもそも中間支援組織の設置目的すらも理解していなかった職員達は、急激に仕事に目覚めだし、自分達のできる範囲で改善をしたり、他の組織の開催している講座などを利用して、自主的に研修プログラムを組んで練習を行ったりしていました。

■「素人所長」で業務が停滞

その改善や研修プログラムが順調に回りだした矢先に、センター本部から、ボランティアもNPOも中間支援組織のことも素人な垣芳伸さんいわば強引に赴任してきたのです。

この人物が所長として赴任してくめりあたり、職場の人たちは一致団結して反対声明を出したり、前所長の留任の嘆願書を出したりしましたが、強引に赴任してきて、今回のような横暴を働いているのです。

松垣所長により『お題目会議』が強制され、これ以外の会議ができなくなったため、職員が自主的に行っていた会議で定期的に行われていた、職員同士の仕事の進み具合の確認や、持ち込まれている相談の共有などはまったくされなくなりました。NPOセンターの日々の業務は、仕事は大幅に滞っています。