名古屋・第34回越冬関連ニュース

ボランティアから炊き出しを受け取る路

中日新聞:【雇用崩壊】退寮、炊き出し…厳寒の大みそか どん底新年、再生を誓う 2009年1月1日

年越しの夜に温かい食事をと行われた炊き出し=31日、名古屋市中村区の西柳公園で
 米国発の金融危機から解雇の大嵐が吹きすさび、不安の中で新年を迎えた非正規労働者たち。大みそかの夜に社員寮から追い出された派遣社員は「情けないよ」と唇をかんだ。厳しい寒さの中、名古屋市で行われたホームレス向けの炊き出しでは、どん底からの再生を誓う声も上がった。
 愛知県大府市内の古いアパートの一室。ガラス窓からすき間風が吹き込む中、あわただしい荷造りの手を止めて元派遣社員の男性(42)がつぶやいた。
 「今年は紅白(歌合戦)を見ている暇はないな」
 アパートは派遣会社の社員寮。部屋の明け渡しは1日午前零時までと区切られていた。「大みそかに引っ越しに追われるなんて…。本当に情けない」
 1年半前から名古屋港内の物流会社へ派遣されていたが、トヨタ自動車の輸入部品を扱う現場だったことから、「トヨタショック」が直撃。昨年11月下旬、12月末での解雇、退寮を宣告される。「本当にあっさりクビ。これが派遣というものかと思った」
 元日以降は少ない蓄えを取り崩し、名古屋市内の安ホテルからハローワークに通う。
 「意地があるから実家には帰れない。年も年だし厳しいと覚悟しているが、まだ名古屋で頑張りたい」と部屋を後にした。
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 路上生活者らが年末年始を過ごす恒例の「越冬活動」が開かれている名古屋市中村区の公園。「ここから自分を再生しなきゃ」。北海道岩見沢市出身の元派遣社員の男性(48)は白い息を吐いた。
 自動車関連会社で働いていたが解雇され、クリスマスイブの直前に名古屋市緑区の借り上げ社宅を出た。その後20社近くに職を求めたが不採用だった。
 路上生活を始めて間もなく10日。新年は支援団体の後押しで求職を再開する。「野宿の経験をマイナスとは思わない」と自分に言い聞かせるように言った。
 越冬活動実行委の大西豊さん(65)=笹島日雇労働組合委員長=は「仕事があれば働きたい人がほとんど。セーフティーネットとして生活保護と雇用確保の両面で抜本的な見直しが必要だ」と話した。
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/koyou_houkai/list/200901/CK2009010102000141.html?ref=rank

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中日新聞:「この生活、脱出したい」 越冬炊き出しに長い列 2008年12月29日

ボランティアから炊き出しを受け取る路上生活者たち=28日、名古屋市中村区の西柳公園で
 真冬に野宿する人たちを支援する恒例の越冬炊き出しが28日夜、名古屋市中村区名駅4の西柳公園で始まった。大勢の日雇い労働者や路上生活者に交じり、「派遣切り」に遭った人の姿も。やりきれない思いを胸に炊き出しの列に並んだ。
 「反貧困」「生き残って再び会おう」。スローガンを書いた黄色い旗が揺れ、ブルーシートで覆われたテントが幾つも並ぶ。用意された牛丼とみそ汁の夕食250食を求め、長い行列ができた。
 「一刻も早くこの生活から脱出したい」。愛知県岡崎市の自動車部品工場で、派遣社員として働いていた男性(36)は8月、10日後の解雇と退寮を言い渡された。契約期間は4カ月も残っていた。
 以来、名古屋駅近くで野宿を続け、月数回のバイトと貯金の取り崩しで食いつなぐ。自分を切り捨てた会社への憤りは消えない。一方、炊き出し支援に感謝しており「明日は手伝いたい」と語った。
 越冬支援は、笹島日雇労働組合やボランティア団体、教会関係者などでつくる実行委員会が開き、34回目。1月4日まで行う。
 名古屋市港区の旧船見寮を活用した市の無料宿泊所の申し込みは29と30日、中村区役所で受け付ける。

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/koyou_houkai/list/200812/CK2008122902000174.html

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毎日新聞: 越冬集会:路上生活者を支援 名古屋で牛丼炊き出し

 厳しい寒さの中、野宿生活を余儀なくされる名古屋市周辺のホームレスの人らを支援する「越冬集会」が28日夕、名古屋市中村区名駅4の西柳公園(通称オケラ公園)であり、集まった約230人に牛丼が振る舞われた。
 市民団体などでつくる名古屋越冬実行委員会主催。ホームレスの人にとって年末年始は年間で最も仕事の確保が難しい時期で「正月気分を味わってほしい」と75年から続けている。公園にはテントのほか、仮眠所や炊き出し場所などを設置。午後7時から温かい食事を配った。
 24日から野宿している男性(34)は沖縄県出身。06年7月から名古屋市南区の建設会社に住み込みで働いていたが、仕事がなくなって今月15日に退職した。「初めて味わった屈辱。面接を約100件受けたが、すべてだめだった。地元に帰りたいがお金がない」と話していた。
 同公園で来年1月3日まで、炊き出しや生活健康相談などが行われる。【木村文彦】

毎日新聞 2008年12月29日 1時32分
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081229k0000m040109000c.html

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メ〜テレニュース: 2008年12月28日18:11:43 名古屋で「越冬活動」始まる

年の瀬に、野宿を余儀なくされている人々を支援する「越冬活動」が28日から名古屋
で始まりました。毎年行われているもので、名古屋市内の公園では、朝からテントや
炊き出し場が建てられました。また、少しでも寒さをしのいで欲しいときょうだけで
ダンボール30箱分以上の衣類や毛布などが、全国から集まりました。この活動は、来
月3日まで続きます。
http://www2.nagoyatv.com/LanDB/jsp/NewsH0200/NewsH0200.jsp?id=27855

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J-CASTニュース: 切符代渡して「名古屋に行きゃあ」 周辺自治体がホームレス「たらい回し」 2008年12月10日19時42分

いわゆる「トヨタ・ショック」と時期を同じくして、名古屋市周辺でのホームレスの数が増加傾向を見せているが、景気の悪化のほかに、意外な原因があった。市の周辺自治体でホームレスになった人たちが、自治体の窓口で「(ホームレスの受け入れ施設がある) 名古屋に行くように」などと指示されていたのだ。事実上の「たらい回し」で、それが問題化している。
ホームレスは10月に入ってから急増している
金融危機や景気の後退を受けて、北米での自動車需要が大幅に縮小。自動車各社は相次いで減産に踏み切り、人員削減を進めている。例えばトヨタ自動車だけでも、当初計画に比べて国内外で約95万台減産し、国内で期間従業員約3000人を削減する。
これと時期を同じくするようにして、ホームレスの数も増加傾向にあるようなのだ、トヨタのお膝元の愛知県内で、唯一ホームレスの受け入れ施設を持つ名古屋市の保護課では、
「まだ(収容できる人数には)余裕がありますが、年明けには、かなり混んでくるのでは」
とみる。さらに、「トヨタ・ショック」との因果関係については「分からない」とする一方、
「ホームレスの方が増えているのは、今年(08年)に入ってからです。特に、10月に入ってから急増しています」
と明かす。景気の悪化と連動して、人数も増えている様子だ。
それ以外にも、周辺自治体からの流入も相次いでいるのだという。名古屋市が11月17日から11月27日にかけて、区役所を通じて行った調査によると、市外から32人が「住む場所がない」などとして相談窓口を訪れている。内訳は三河地区からが10人、愛知県外からが20人、など。32人のうち4人は、「地元市町村から交通費を支給された上で、名古屋市に行くように案内された」のだという。つまり、一部の自治体は「自分のところでは対応できないので、名古屋に行け」という対応を行っているということだ。受け入れ施設の運営費は名古屋市と国が折半する形でまかなわれているため、名古屋市の納税者からは「不公平だ」という声も上がりそうだ。
名古屋市の保護課では、このような状況に対して、「従来から県に改善の要望をしている」と話す。
「ホームレスの受け入れ施設は、県内には名古屋市にしかないので、ホームレスの流入が起こっている。保険事務所から(市外からの流入)事案の報告があった場合には、県には事実確認をお願いした上で、事実だった場合には改善をお願いしている。具体的には、名古屋市以外の県内に受け入れ施設の建設を要望している」
自治体には、生活保護の適用で対応するように指導
ただ、要望される側の愛知県は、若干アプローチが違うようだ。愛知県の地域福祉課では、
「(名古屋市からの要望は)過去にも何回かあった。(名古屋市周辺の)自治体には、ホームレスの方がお見えになった窓口で対応してほしい、ということでお願いしている。『名古屋に行きゃあ(行け)』はルール違反。各自治体には、生活保護を適用することで対応するように指導しており、実際、この4年半、名古屋市以外の県内自治体で606人がホームレス状態から脱却している」
などと説明。施設で受け入れずとも、ある程度は対応可能との認識のようだ。
一方、「カーアイランド」とも呼ばれる九州の場合はどうか。トヨタ、日産、ダイハツなどの工場を周辺自治体に抱える北九州市の保護課では、
「建設現場で作業をしておられた方からなどの相談はありますが、自動車関連の相談は、まだありません」
と話しており、「トヨタ・ショック」は、まだ表面化していないようだ。
いずれにせよ、今後「派遣切り」で寮を追い出されるなどして住居を失う非正規労働者が増加するのは確実な情勢で、各自治体はホームレス受け入れ対策の充実、拡大を迫られることになりそうだ。
http://www.j-cast.com/2008/12/10031835.html

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