知りたい!:自由と生存 Yo! フリーター、派遣もメーデー

nagoya_p_net2008-04-19


http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080417dde001040018000c.html

 ◇独立系、デモはラップで
 デモはラップミュージックに乗って、打ち上げはDJのいるクラブで−−。今や非正規労働者が2人に1人を占める20〜30代のフリーターや派遣の若年労働者たちが、全国でユニークなメーデーを企画している。不安定な低賃金労働の中で、自ら「自由と生存」を求める声を上げ始めた。【東海林智】

 メーデーの起源は1886年5月1日。米シカゴを中心に、労働組合が8時間労働制を求めデモをしたのがきっかけとされる。日本では1920年に第1回メーデーが東京・上野で開かれた。その後、長年にわたり労働組合ナショナルセンターである連合や全労連全労協が5月1日に中央メーデーを開催してきた。最低賃金法の制定などやむにやまれぬ労働者の声を集めて始まったメーデーだが、組織率の低下とともに参加者の減少や大会の形骸(けいがい)化が指摘されてきた。

 若年者メーデーの先駆けとなったのは、首都圏でフリーターなど若年の非正規労働者を中心にした組合「フリーター全般労組」(大平正巳委員長)。2005年から「自由と生存のメーデー」を掲げ、今年で4回目となる。昨年のメーデーには約430人が参加した。山口素明書記長は「僕たちにはどこからも声はかからない。声を上げる場は自分たちで作るしかなかった」と語る。

 開催スタイルは独特だ。デモはトラックの荷台でDJが音楽を流し、踊りながら主張を訴える。シュプレヒコールは労働、生活、平和など多様にアピール。「非正規を使い捨てにするな」と怒り、「家賃を下げろ」「生きさせろ」と訴え、「すべての労働者は団結して闘うぞ」と定番のコールも。打ち上げはシンポジウムなどをメーンに、クラブでのパーティーで締める。

 今年は若年者が中心となる各地の団体が、4月27日〜5月4日に東京、愛知、京都など全国8カ所でメーデーを開催する。タイトルは「LOVE&ビンボー春祭り」(名古屋)、「KY(くまもと よわいもの)メーデー」(熊本)などとユニークだ。「恩恵としての祝日よりも、権利としての有休を!」(京都)と長いタイトルもある。フリーター全般労組も、各地に代表団を派遣するほか、よく似た形式で開かれるドイツのメーデーにも仲間を派遣する予定だ。

 一方、既成のナショナルセンターも、連合が非正規労働メーデーを計画するなどの動きもある。フリーター全般労組の山口書記長は「格差、貧困が世の中の論点となってきたことから若者たちが声を上げる動きが広がってきた。一緒に声を上げよう」と呼びかける。

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 ◆各地で予定されているメーデー

 <独立系メーデー

4月27日 名古屋 LOVE&ビンボー春祭り

  29日 熊本  KY(くまもと よわいもの)メーデー

  29日 札幌  自由と生存の連帯メーデー

  29日 京都  恩恵としての祝日よりも、権利としての有休を!

5月 1日 福岡  フリーター/貧民メーデー

   2日 広島  生存のためのメーデー2008in広島

   3日 東京  自由と生存のメーデー2008

   4日 仙台  仙台メーデー

 <ナショナルセンター

4月26日 連合  代々木公園

(非正規労働メーデーも)

5月 1日 全労連 代々木公園

   1日 全労協 日比谷野外音楽堂

毎日新聞 2008年4月17日 東京夕刊