NO 貧困〜名古屋行動集会(9)東京で雨宮処凛さんと考えた運動のこれから(JANJAN記事)

雨宮処凛さん

Esaman2008/04/18

http://mainichi.jp/life/job/news/20080417dde001040018000c.html

反貧困フェスタ2008(東京・神保町)に参加しました。名古屋で開催予定の『LOVE&ビンボー春祭り』に関連して、昨年、名古屋でお会いした雨宮処凛さんのお話を聞きにきました。雨宮さんは、ベースアップ闘争などを戦っている大手の労組よりも、インディーズ系の労組のほうがより追い詰められたときに役立つ、具体的な生きるノウハウを沢山もっている、と語ります。

目次
P1.雨宮処凛さんと考えた運動のこれから
P2・エノアールとふぇみんの物々交換カフェ

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雨宮処凛さんと考えた運動のこれから
 3月29日に開催された反貧困フェスタ2008に参加しました。今回は、名古屋で開催予定の、メーデーアースデイの混ざったイベント『LOVE&ビンボー春祭り』に関連して、昨年末に名古屋でお聞きした雨宮処凛さんのお話をお伺いにくることが目的でしたので、フェスタそのものの取材はそれほど詳細にはできませんでしたが、見聞きしたことを、写真を中心にレポートします。

 まず、会場の中学校のある東京の地下鉄神保町駅は、初めて下りた駅なのですが、のどかな日差しの中、駅前に広がる商店街では、古本市のようなものもやっていて、人通りもたくさんありました。反貧困フェスタが、地域の商店街のイベントとも連携している印象を受けます。駅からすこし歩いたところに、目指す反貧困フェスタの会場の神田一橋中学校がありました。

 校庭には無数のテントが立ち並び、無数の人たちがひしめきあっています。舞台のある反対側のほうの、よく日のあたる桜の木のある場所には、イカ焼きコーナーや休息所があり、地面に座って花見をしている人たちや、カフェをしている人たちがいました。校庭の隅には少し本格的なサウンドシステムが設置されていて、なかなかよい音楽を流しています。校庭の真ん中にはブルーシート敷かれていて、座って休んだり話をしたりしている人たちがいます。全体的にお祭りという感じを受けます。

 フェスタ会場の入り口の外の左側には、レントゲン撮影のできる車がとまっていました。名古屋では笹島診療所の人たちなどが診療活動や医療相談では頑張っていますが、野外でのフェスタでレントゲン診察というのは見たことのない取り組みです。名古屋に帰ってから、いくつか問い合わせをしてみたのですが、どこもそのような診察はしたことがない感じでした。どのような仕組みで呼んでいるのかが気になります。

 ゲタ箱のところでは、主催者の企画として、新聞の拡大コピーや雑誌の特集を掲示していました。貧困やワーキングプアの話題が紙面に踊っています。人の出入りの激しい場所なのですが、一面に張られた記事を熱心に読んでいる人が何人もいました。こういった企画は地味なものですが、働いても生活が楽になるとは限らないご時世、毎日、新聞に眼を通す時間のない人も少なくないでしょうから、大切な企画だと思います。

 校内の廊下では、いろいろな団体の出版物や、貧困関係の書籍を販売するコーナーがあり、ここも大変な賑わいでお祭りのようになっていました。このような集会では、書籍販売コーナーはそれほど人だかりのないことも多いのですが、なかなかの熱気でした。体育館・教室・校庭をすべて立体的につかって、さまざまな催し物が開かれています。興味がつきないものが多いのですが、時間がかぶってしまうものが多くて、あまり見られませんでした。

 そうこうしているうちに、雨宮さんが講演を終わって出てこられたので、早速、ブルーシートの上で、お話を聞きました。NHKの人や、『週刊金曜日』の人たちも取材にきていました。



インディーズ系メーデーのことや、これからの運動のことを熱心に語ってくれた雨宮処凛さん。とても話しやすい方です。週刊金曜日の取材の人もきていました。
Q:雨宮さんにとって短期的な目標はなんですか?

 派遣法を少なくとも99年以前に戻すことです。派遣業があらゆる業種に拡大されてしまったことで、賃金は下がり、日雇い派遣が広がり、ワーキングプアが増える結果となりました。法律によって不安定化、貧困化が進んだので、法律を変えることによってしか、この状態を変えられないと思います。

Q:基本的にどこの労組で活動しているのですか?

 特にどこの労組ということはありませんが、大きなところではなくて、インディーズ系労働組合と仲が良いです。はじめにかかわったのが、フリーター全般労働組合でした。ここの労組の活動に参加したときに、自殺、ニートの問題など、いろいろな問題にたいして、ここに解決策があるのではないかと思いました。突然、仕事をクビになったときにどうするのか、団交の仕方、労働運動だけでなく、いきづらいときに相談する仲間がいます。

 ベースアップ闘争などを戦っている大手の労組よりも、インディーズ系の労組のほうが、より追い詰められたときに役立つ、具体的な生きるノウハウを沢山もっていると思います。それは『生存のノウハウ』といいかえてもよいかもしれません。自殺するな、ニートにも生きる権利がある。このような面でのケアは、大きな労組にはなかなかできないでしょうし、そういった発想自体がないのではないかと思います。

 古い労組の人たちは、いつまでもフリーターでいることはだらしがないといったり、ニートには生きる権利がないと言い出す人もいます。このような発想は、そのような境遇でしか生きられない人たちを『殺している』ものです。親世代の人たちの行ってきたことによって今の社会があるわけですし、その子ども世代がフリーターやニートと罵倒され、バブル崩壊のつけを払わされているのはおかしいと思います。

 労働組合は、大変な人を助けるのが仕事のはずですが、古い労組の人たちは、「労働」という文脈から外れた人やもっとも弱い立場の非正規問題にはあまり取り組んでこなかったように思います。新しいインディーズ系の労組は、そのような労組によって見捨てられた人たちを助ける力があります。

 親世代は自分達のやるべきことをやっていません。ですが、自分達のやってきたことの結果発生しているニートやフリーターの問題を『自己責任』『だらしがないからだ』というだけで考えないようにしています。また判っていないのにバッシングをして、傷つけることばかりをいい続けて、より状況は悪化してゆきます。フリーターをしている人たちにたいして『ラクでいいね』『自由でいいね』などというのもその典型的なものです。実際にはラクではありませんし、自由もありません。

 親の世代は、このように原因を考えたり、責任をとろうとは、まったく思っていません。このような親子対立のようなものが、古い労組の中にはあると思います。

 親の世代にたいしては『あなたたちがやるべきことをやっていないので、やっている』という心境もどこかあります。大きな労組のデモではできないことを、同じような境遇の若者達とやって、自分たちの言いたいことをいうことが大事だと思っています。大きな労組や、親の世代の市民運動のデモはサウンドデモではないですし、言いたいことを自由に言える雰囲気ではないですね。路上からみていても、なにを訴えたいのかもよくわかりません。



会場内に人があふれている。『反貧困フェスタ』という横断幕の下が正面ステージ。
Q:よくあるデモ隊は、デモをすることが目的になっていて、シュプレヒコールやアピールもひとりよがりになり、路上を行く人達に理解してもらおう、という意思が脆弱な気がします。

 たしかに既存の労働運動は漢字ばかりの要求を訴えていて、路上の人々に理解し
てもらおうという思考回路は希薄かもしれません。でも全ての人に理解してもらうというのは無理なことなので、自分達の言いたい事を言うとこは大切です。それをいかにわかりやすく、道行く人たちが「自分にも関係があることかも」と思うような言葉にしていくかが重要ですね。そして表現としても魅力的、というのが加わればもっといいですね。

Q:路上をいく人たちは通りすがりですから、一期一会のチャンスをのがさないよう、こころに残るアピールが必要ですね。

 そのとおりです。耳に入るのは一瞬です。要求ばかりしていて、聞いている人たちは面白くありませんから、聞いていて面白いことを言うことも大切です。日常の言葉で話すことも忘れてはいけません。『アコムもセコムもおなじじゃん』これなんかもダジャレですが、少し考えると、ちょっと怖い内容ですね。面白くても意味のないことを言っても意味がないので、少し考えさせるようなことを、面白く伝えることが大切です。

 また言葉だけでも足りません。拡声器で何かワーワー言ってるだけで敬遠されることもあります。自由と生存のメーデーでは、サウンドカーでDJが音楽をかけているので、みんな自由に踊ったり歌ったりしています。それを見て楽しそうだからと入ってくる人たちもたくさんいます。

 去年の『自由と生存のメーデー』では、途中で巨大なブルーシートを広げてみんなでかぶって歩きました。これはフリーターも正社員も派遣社員もホームレスも連帯しよう、というような意味が込められています。今年は大きなパペットを持って歩く予定です。何かに「反対」というだけのデモはひとりよがりになりやすいので、道行く人たちの心にのこるように、思わず合流してしまうようなデモを作ってゆく事が大切だと思います。

若者達には行き場もなければも、上の世代の理解もない

 ほとんどのフリーターが労働者の権利について知りません。いざバイトを一方的にクビになって、何も知らないので、権利を主張できません。その繰り返し。まずことのことが問題です。あと、すこし勉強したり、人に聞いて、労働組合にに相談しようと思っても、労働組合で非正規問題を扱うところは、たいへん少ないのが現状です。これた大問題です。フリーターには困ったときの行き場がありません。

 あとは社会、とくに親の世代にはこびる自己責任論も問題です。自分も含む就職氷河期の人はとくにそうなのですが、おおくの人は好きでフリーターになったのではなく、それ以外に仕事がなくそうなったのです。親の世代は、社会全体が景気がよかったので、難なく就職できて人員整理にもあわなかった人も少なくないようですが、その親の世代の人たちが若い頃に、今の若い人達と同じような就職状況に見舞われたらどうなっていたのか、少し想像力をもって考えてほしいものです。すこしは就職が回復しているといいますが、法律の改悪で非正規雇用がどんどん増えているのは事実で、これからも非正規雇用の問題は増えていくでしょうし、そのような問題を扱う運動も大切になってきます。

 また今後、管理・監視社会の問題が、大問題になってくると思います。これは、既存の労組が行っていたベースアップ要求などの問題とは違う問題です。そのような問題にも、労働運動は積極的に取り組んでいかなければ、結果として管理・監視社会の一翼を担うことになってしまいます。



校舎のない側は日が当たっている。古本市、カフェ、花見コーナーなどがある。
名古屋の新しい取り組みについて

 『自由と生存のメーデー』でやってきたように、いままで『運動』にかかわりのなかった人たちを巻き込んで、いままでの運動ではできなかったことを、どんどん実現していくことが、いちばん大切です。そのような意味では名古屋での取り組みはたいへん面白いと思います。現在、貧困問題をはじめ、いろいろな問題が、地球レベルの規模になってきているのも事実のようです。非正規やニートの問題も、環境問題も、影響される人間の貧困化や周辺化の問題として捕らえれば、同じ根のある問題だと思います。

 とくに、環境問題に積極的に取り組んでいる人たちには、地球のことを考えるならば、もっと身近な足元の問題も同時に考えて、そこから出発する視点がほしいと思います。自分は他の地域を回るので名古屋には参加できませんが、名古屋で開催されるLOVE&ビンボーは、全国で開催される『インディーズ系メーデー』の初日として期待しています。東京からも、一緒に自由と生存のメーデーを作っている仲間達も参加しますのでよろしくお願いします。

 ほかにも、いろいろなことを雨宮さんと話をしていたら、かなりの時間がすぎてしまいました。途中、フェスタの参加者の人たちから、サインをねだられたり、写真をとってほしいと頼まれる一幕もありました。さすがは人気作家です。


エノアールとふぇみんの物々交換カフェ
 私達の座っていたブルーシートの目の前に、無料のイカ焼きのテントがあり、とてもいいにおいがしていたので、話が終わってから並んで食べようとしたところ、ちょうど自分の一人前のところで品切れになってしまいました。非常に残念だったのですが、そのとなりで物々交換カフェをしている人たちのところで、飴玉と交換でかなり珍しいお茶をいただきました。

 エノアールは、代々木公園のブルーテント村にある物々交換カフェだそうです。絵のある、カフェーだからエノアールだそうです。テント村では、もともと物々交換が行われていたのですが、物々交換がコミュニケーションになっていて、情報も交換されていました。エノアールは、そのような人たちの溜まり場としてはじめられました。いまは公園内だけの交流ではなく、公演の外のひとたちとの交流の場所にもなっているとのことでした。

 お話を聞いていて、たしかに物々交換は、コミュニケーションを必然的に伴うものなので、交流の機会、とくに普段はかかわりのない外部の人たちとの交流にはちょうどよいと思いました。しかも物々交換には税金もかからないので、いい面が多いですね。名古屋のLOVE&ビンボー春祭りでも、本格的な物々交換市が予定されていますが、物々交換カフェでやっていた飲食物との交換は、手軽で面白いと思いました。

『一般の』お客さんの話

 会場にお客としてきていた、活動関係者でも業界人でもない人から、何人かから話をききました。

Q:どのような経緯で参加したのですか?

 知り合いの弁護士から紹介されました。

Q:普段はこのような催しに参加されますか? 参加することに抵抗はなかったですか?

 普段はまったく参加しません。メーデーなどは参加するのにやや抵抗があります。政治集会のようなものは少し怖い感じがします。今回参加してみようと思ったのは、お世話になった弁護士からの紹介であったのと、貧困の問題は自分に身近な問題だからです。たのしそうな企画もあったので参加がしやすかったです。

Q:今後も参加したいと思われますか?

 実際に参加する前は、どんなところだろうという不安もあったのですが、来てみたら身近な話題が多くて、専門的でかわらない話でもありませんでしたし、とてもよかったです。参加しているいろいろな団体のことも伺えて楽しかったです。普段は活動には参加していませんし、これからもすることはないと思いますが、このような催し物には参加したいと思います。

 何人かにもこのようなお話を聞いたところ、来てみようと思ったきっかけは、いろいろな企画があること、楽しそうであること、街頭アピールのともなう反対集会ではないこと、などがあがりました。また、聞いた相手は職場の同僚や弁護士などが多く、集会や活動関係で知り合ったとか、街頭でチラシを見て、というパターンは皆無でした。このような催し物を企画するときに、『活動家』のもつ『左翼幻想』というべきものとして、

街頭で、
名もない人々が、
世の中をかえるために、
結集してきて、
なにか(革命?暴動?世直し?)がおこる、

 というような傾向の話が、打ち合わせの中から垣間見られることがあるのですが、実際にはそのようなことが起こることは非常に稀であって、人が多く参加するのは、無難で中庸なものなのではないか、と思いました。活動家ではない人の話を聞いていると、上記の項目の反対のことのほうが、現実の参加率が高そうです。

 少し年上の活動家の生徒たちは、政治的な課題をめぐって、実際に街頭に人があふれていた時代の臨場感のようなものを夢見ているのかもしれませんが、いまそれを昔のスタイルで実現しようとするのは、まさに『ナンセンス』なのでしょう。これは『運動』を展開するにあたって、猛省すべきことのように思います。

 そうこうしているうちに、日も傾いてきて、少し寒くなってきたので、会場を後にしました。この時期は日のあたっている間は暖かいですが、さすがに風が吹いたり日が傾くとまだまだ寒いです。ですが、3月末という時期は、桜もさいており、ブルーシートを広げ、座るのにちょうどよい季節だと思います。

 また東京の反貧困ネットワークは、いろいろな団体が、お店を出すだけではなく、展示であったり、相談窓口の提供や、ブルーシートを広げた休息所の提供であったりと、様々な形で参加しており、関係者の幅の広さが魅力であるとも思いました。全体的な雰囲気が、赤旗祭りのような感じがしたのも事実ではありますが、そのようなスタイルは、会場のお客から聞いた印象からもわかるとおり、連帯スピーチや決意表明ばかりの『集会』よりも、一般の人たちが足を運びやすいのも事実でしょう。これからも、このようなフェスタが開催されるとよいと思いました。

エノアールとふぇみんの物々交換カフェ
 私達の座っていたブルーシートの目の前に、無料のイカ焼きのテントがあり、とてもいいにおいがしていたので、話が終わってから並んで食べようとしたところ、ちょうど自分の一人前のところで品切れになってしまいました。非常に残念だったのですが、そのとなりで物々交換カフェをしている人たちのところで、飴玉と交換でかなり珍しいお茶をいただきました。

 エノアールは、代々木公園のブルーテント村にある物々交換カフェだそうです。絵のある、カフェーだからエノアールだそうです。テント村では、もともと物々交換が行われていたのですが、物々交換がコミュニケーションになっていて、情報も交換されていました。エノアールは、そのような人たちの溜まり場としてはじめられました。いまは公園内だけの交流ではなく、公演の外のひとたちとの交流の場所にもなっているとのことでした。

 お話を聞いていて、たしかに物々交換は、コミュニケーションを必然的に伴うものなので、交流の機会、とくに普段はかかわりのない外部の人たちとの交流にはちょうどよいと思いました。しかも物々交換には税金もかからないので、いい面が多いですね。名古屋のLOVE&ビンボー春祭りでも、本格的な物々交換市が予定されていますが、物々交換カフェでやっていた飲食物との交換は、手軽で面白いと思いました。

『一般の』お客さんの話

 会場にお客としてきていた、活動関係者でも業界人でもない人から、何人かから話をききました。

Q:どのような経緯で参加したのですか?

 知り合いの弁護士から紹介されました。

Q:普段はこのような催しに参加されますか? 参加することに抵抗はなかったですか?

 普段はまったく参加しません。メーデーなどは参加するのにやや抵抗があります。政治集会のようなものは少し怖い感じがします。今回参加してみようと思ったのは、お世話になった弁護士からの紹介であったのと、貧困の問題は自分に身近な問題だからです。たのしそうな企画もあったので参加がしやすかったです。

Q:今後も参加したいと思われますか?

 実際に参加する前は、どんなところだろうという不安もあったのですが、来てみたら身近な話題が多くて、専門的でかわらない話でもありませんでしたし、とてもよかったです。参加しているいろいろな団体のことも伺えて楽しかったです。普段は活動には参加していませんし、これからもすることはないと思いますが、このような催し物には参加したいと思います。

 何人かにもこのようなお話を聞いたところ、来てみようと思ったきっかけは、いろいろな企画があること、楽しそうであること、街頭アピールのともなう反対集会ではないこと、などがあがりました。また、聞いた相手は職場の同僚や弁護士などが多く、集会や活動関係で知り合ったとか、街頭でチラシを見て、というパターンは皆無でした。このような催し物を企画するときに、『活動家』のもつ『左翼幻想』というべきものとして、

街頭で、
名もない人々が、
世の中をかえるために、
結集してきて、
なにか(革命?暴動?世直し?)がおこる、

 というような傾向の話が、打ち合わせの中から垣間見られることがあるのですが、実際にはそのようなことが起こることは非常に稀であって、人が多く参加するのは、無難で中庸なものなのではないか、と思いました。活動家ではない人の話を聞いていると、上記の項目の反対のことのほうが、現実の参加率が高そうです。

 少し年上の活動家の生徒たちは、政治的な課題をめぐって、実際に街頭に人があふれていた時代の臨場感のようなものを夢見ているのかもしれませんが、いまそれを昔のスタイルで実現しようとするのは、まさに『ナンセンス』なのでしょう。これは『運動』を展開するにあたって、猛省すべきことのように思います。

 そうこうしているうちに、日も傾いてきて、少し寒くなってきたので、会場を後にしました。この時期は日のあたっている間は暖かいですが、さすがに風が吹いたり日が傾くとまだまだ寒いです。ですが、3月末という時期は、桜もさいており、ブルーシートを広げ、座るのにちょうどよい季節だと思います。

 また東京の反貧困ネットワークは、いろいろな団体が、お店を出すだけではなく、展示であったり、相談窓口の提供や、ブルーシートを広げた休息所の提供であったりと、様々な形で参加しており、関係者の幅の広さが魅力であるとも思いました。全体的な雰囲気が、赤旗祭りのような感じがしたのも事実ではありますが、そのようなスタイルは、会場のお客から聞いた印象からもわかるとおり、連帯スピーチや決意表明ばかりの『集会』よりも、一般の人たちが足を運びやすいのも事実でしょう。これからも、このようなフェスタが開催されるとよいと思いました。


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反貧困フェスタ2008
反貧困ネットワーク反貧困名古屋ネットワーク
全国独立系「ゴールデンメーデーウィーク」
LOVE&ビンボー春祭りアースデイあいち2008
日時:2008年4月27日(日)10:00日没ぐらい(雨天決行)
場所:若宮大通り公園
実行委員長:樫村愛子(愛知大学文学部社会学助教授 ラカン派協会理事)
主催:アースデイあいち実行委員会反貧困名古屋ネットワーク
 2008年の愛知のアースデイは異なる主催者、異なる会場で2週にわたって、2回開催されます。
増殖中!? アースデイ愛知2008について。