反貧困、世直しイッキ大集会(上) 食いだおれそうな熱気の大集会 2008/10/21(JANJAN記事)
反貧困、世直しイッキ大集会(上) 食いだおれそうな熱気の大集会
Esaman2008/10/21
7月から開催されている「反貧困全国キャラバン」のゴールとして、東京の明治公園で「反貧困世直しイッキ!大集会。垣根を越えてつながろう!!」が開かれた。全国をキャラバンしてきた車2台がファンファーレで入場。各地から反貧困の取り組みが報告され、「私たちは、垣根をこえた」という集会宣言が発表された。
http://www.news.janjan.jp/living/0810/0810200812/1.php
ゴールした反貧困キャラバンカー。名古屋で見た車とは色が違うので、東ルートを回った車と思われる。
7月から開催されている「反貧困全国キャラバン」のゴールを歓迎するイベント「反貧困世直しイッキ!大集会。垣根を越えてつながろう!!」が10月19日、東京の明治公園で開催されました。
私はこのイベントに、愛知で開催された同キャラバンを歓迎するフェスタの実行委員の1人として参加しました。この日、名古屋を出発したときには、よく晴れていたものの、東京に着いてしばらくすると少し雲行きが怪しくなりましたが、降り出すこともなく無事に開催することができました。
会場には、さまざまな団体の旗指物が立っており、人が集まっていました。旗の色は赤、青、黄色などが多かったようです(青色は反貧困ネットワークの旗です)。
会場には、いろいろな食べ物コーナーが設置されていて、それぞれカンパか無料で食べることができます。食べ物は、焼鳥、カレーうどん、卵かけごはん、まんじゅう、モツ煮、ジャガバタなどなど、さまざまなものがありました。
3月に東京で開催されたフェスタでは食いそびれた「いか焼き」に、今度はありつくことができました。焼いている人の話では、朝に八戸で仕入れてきたイカで、刺身でも食べられるほどのものだそうです。やわかく、非常においしかったです。
ほかにも、焼き鳥(塩)、卵かけごはん、モツ煮は、かなりよい出来でした。とくに、たまごかけご飯(カンパ100円)は、三里塚でとれた新米と卵で、かなりウマいものでした。屋台で、たまごかけごはんを食べたのは初めてですが、米も卵もよかったせいが、極めてウマかったです。
集会が始まり、挨拶が終わると、反貧困キャラバンで全国を回った車2台が、各地から集まった反貧困キャラバンを全国で担った人たちを従えて、ファンファーレの演奏とともに、入場して来ました。キャラバンは、東ルートと西ルートがあるので2台車があります。
愛知県にキャラバンカーがやってきたときには、私たちが作成した「ヒンキー人形」を託したのですが、今回、会場には見当たりません。元気にしているかどうか心配です。
そのあと、各地から参加した人たちが壇上にあがり、各地の報告を行いました。今回、キャラバン歓迎フェスタを開催し、LOVE&ビンボー秋祭りフリマを開催した愛知県からは、20名近くの参加者がありました。
愛知の活動の中心になった森弘典弁護士は、愛知グループでは周辺自治体への要請行動とは別に、独自にアンケートを行い、生活保護の運用の実態の一部を明らかにしたことの紹介がありました。
森弁護士の紹介では参加団体として「なごやアイヌ語に触れよう会」の紹介が抜けていました。アイヌ語の会は、一見「文化サークル」なので、場違いな印象を受けるかもしれませんが、アイヌ民族の最も深刻な問題のひとつが貧困問題ですし、アイヌの権利に関することにしか顔を出さない、というのもセコい話なので、反貧困活動には積極的に会として参加しています。
森弁護士のあとに、野宿の仲間の発言があり、続いて、シングルマザーの方の発言がありました。
この方は、はじめコムスンで働いていて、人を人と思わない企業がイヤになり、大変よい理念を掲げるNPOで働き始め、熱心に働きはじめました。本当に熱心に働いていたのですが、ひと月で、イキナリ即日解雇になり、それに対抗して、即日労組を作って解雇撤回を勝ち取ったとのことでした。
2人の子供を抱えて大変なことと知りつつも、理由も曖昧なまま即日解雇という非道な扱いをした使用者の横暴を跳ね返した経験をもとに「たとえ解雇になっても、決してあきらめないで戦ってほしい」と、会場に呼びかけていました。
各地からの報告のあと、分科会に移りました。分科会といっても、会場が仕切られていて、野外で行うものです。今回は、雨天決行の予定だったはずですが、雨が降ったらどうなったのでしょうか?
女性と貧困、フェアトレード、住まい、食の危機、後期高齢者医療制度、子ども、労働、住まいなど12の分科会が設置されて、それぞれに分かれて、みな熱心に話をしていました。
とくにフェアトレードの分科会があったのはよいことだと思います。愛知で開催したLOVE&ビンボー春祭りではテーマを「貧困と環境は地球の大問題」と掲げて開催しました。
環境問題とは、第三世界や先住民族の住む地域では、常に貧困問題と隣り合わせに存在しているのですが、なかなか貧困問題と環境問題をつなげて考える機会はないので、今回の会場にフェアトレードの分科会が存在していたことは、意味があるのではないかと思います。
分科会の時間は意外と長く、午後2時からデモ出発の5時まで、ずっと話をしていましたが、みな熱心に参加していました。
自分が参加したのは、一番人が集まっていた「労働」の分科会です。雨宮処凛さんの司会で、ファストフードで「名ばかり店長」として働いている人や、偽装請負で訴訟を戦っている人などが、次々と自分の経験を話してくれました。
とくに、ツアーの添乗員が、予算の削減で通訳などが減らされるが、その分の通訳を自分たちですることになって、きわめて大変な労働条件で働かされている、という話が心に残りました。予算を削減したところで、仕事自体が減るわけではない、という点は、昨今問題となっている指定管理者制度ともつながることではないか、と思います。
また、司会の雨宮さんが、パネラーの話を聞きつつ、熱心にメモを取っているのも目に付きました。司会をしつつも取材を忘れないその姿勢は、見習いたいと思います。
分科会は、かなり長い間続けられました。大変に長い時間をとってあったのですが、最後の時間になっても、まだまだ話しているところが多かったほどでした。
最後に、湯浅誠さんが、集会宣言を読み上げて、採択されました。(詳細な集会宣言は音声でどうぞ)
…私たちは、垣根をこえた繋がりをつくりはじめています。
ちいさな違いにこだわって、負け続けるのは、もうたくさんだ。
敷居をさげ、弱さを認め、弱さの自覚の上に、強いきずなをつくる。
それが私たちの運動であり、私たちの世直しです。、
声をあげよう。
居場所をつくろう。
仲間を増やそう。
そして、社会をかえ、政治を変えよう。
ひとりひとりが、もう一歩をふみだそう。
垣根を越えたつながりをつくる。
労働者派遣法を抜本的に改定させ、社会保障費2,000億円の削減を撤回させる。
貧困の削減目標をたてさせる。
誰もが生きやすい社会を作る。
それが私たちの権利であり責任です。
反貧困世直しイッキ参加者一同。
このあと、キャラバンカーを先頭に、デモ隊が出発します。
(つづく)
イカ焼き。たいへんうまかった。
モツ煮。名古屋ではモツ煮というと腸ばかりだが、これにはレバー(すい臓かもしれない?)も入っていた。
卵ごはん。卵もおいしいが、ご飯もうまかった。三里塚の皆さんに感謝。
国連の「貧困撲滅のための国際デー」に連携して行われたSTAND UP TAKE ACTIONの様子。湯浅さんが、たいへん良い笑顔で参加している。
◇ ◇ ◇
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