「渋谷麻生邸不当逮捕事件に抗議 名古屋で“愛”の募金活動(JANJAN記事)

nagoya_p_net2008-11-08

Esaman2008/11/08
11月3日、名古屋の東部にある歴史ある門前町覚王山で開催されている覚王山祭りで、渋谷で逮捕された人たちを応援する募金活動「良心の留置人のための反弾圧行動」が開催されました。

http://www.news.janjan.jp/area/0811/0811070000/1.php

 11月3日、名古屋の東部にある歴史ある門前町覚王山で開催されている覚王山祭りで、渋谷で逮捕された人たちを応援する募金活動「良心の留置人のための反弾圧行動」が開催されました。この活動は、渋谷での逮捕劇の映像をみて衝撃をうけた、名古屋に在住するアーティストやピクニック好きな人たちで結成された「アそネスティー・インターナショナル・ジャポン」が呼び掛けたものです。主催者によると、この名前は、渋谷企画のユーモアのセンスに敬意を表したもので、アムネスティではないので誤解しないように、とのことでした。


「麻生さんのおうちを見にいこう」で、アそネスティー『愛の募金活動』・映像(45秒)



出来上がった寄せ書き。呼びかけがマヌケだったせいか、激励のメッセージというよりは、落書き帳になっている。
出来上がった寄せ書き。呼びかけがマヌケだったせいか、激励のメッセージというよりは、落書き帳になっている。

当日配られていたチラシ。困った麻生の顔や「ウチ来る? イクイク」のフーセンなどが載っている。
当日配られていたチラシ。困った麻生の顔や「ウチ来る? イクイク」のフーセンなどが載っている。

「コーボーだ」「ヨシッ」などの掛け声でメンコをする。
「コーボーだ」「ヨシッ」などの掛け声でメンコをする。

子供の解釈によると、中央の丸い麻生メンコが「親玉」だそうだ。勝手にルールを作って遊んでいた模様。
子供の解釈によると、中央の丸い麻生メンコが「親玉」だそうだ。勝手にルールを作って遊んでいた模様。

覚王山祭りの喧騒の中に「弾圧麻生」のポスターが映える
覚王山祭りの喧騒の中に「弾圧麻生」のポスターが映える

覚王山祭りの喧騒の中に「弾圧麻生」のポスターが映える
覚王山周辺の子供達は、メンコ遊びができる子が意外といるようだ。


寄せ書きに参加しているライブペインティングをしていたアーティストのみなさん。

覚王山祭りの様子。お祭りのとき意外は、アートなお店の点在する、独特の雰囲気のある町だ。

寄せ書きを書いてもらっているところ。応援に駆けつけた「甘み屋カリン党」の旗も見える。


 会場となった覚王山は日本で唯一、仏舎利を安置している日泰寺の前の開けたエリアで、商店街があります。名古屋の東部は、どちらかというとお金持ちの住むエリアで、覚王山周辺も例外ではないのですが、今回、会場となった周辺は、お好み焼屋さんや、アーティストが小さな店を出している場所でもあり、昔ながらの風景が少し残っています。

 覚王山秋祭りは、商店街などが主催しているもので、同時期には、祭りのメインストリートであるお寺の参道を、様々なアーティストが飾り付けを行うという「参道ミュージアム」も開催されています。会場では、笛や太鼓なども叩かれて、さまざまな店が出ていますが、テキヤさんのようなお店はひとつもなく、手作りの作品を出している人や、着物を売っている人、盆栽のようなものを売っている人の店などが、たくさん出ていました。

 「アそネスティー」の人たちは、プレイボーイの記事や、事件の写真パネル、寄せ書きの紙を広げて、このお祭りに来る人たちに、渋谷での事件の様子を語り、募金と寄せ書きへの参加を呼び掛けていました。反弾圧行動というと、過激なものかと連想されるかもしれませんが、あそネスティーの人たちは「弾圧粉砕カルタ」なども作成していて、非常にゆるい雰囲気でそれは行われていました。なお「弾圧粉砕カルタ」というのは、筆者が勝手につけた名称で、実物はただのボール紙に、紙をはりつけて作ったもので、名前もないただのカルタです。

 覚王山祭りは、いろいろな人が来て楽しいので、筆者も祭りの見物がてら「あそネスティー」の企画に参加して、いろいろとお話を聞いてきました。主催者や出展者、通りすがりのひとたちの意見を紹介します。

・ご近所の方で、寄せ書きに参加していたご老人は、「私たちの若い頃だったら、警察がデモ隊を連れて行ってしまう、という話はよくきいたし、そういう時代だったし、デモ隊にも元気なのもたくさんいて、大学に立て篭もったのもいたから、警備が厳しいのは仕方がなかったかもしれない。でも、今回のは、デモをしていたわけでもなくて、みんなで家を見に行こうという企画だと聞いて驚いた。何か投げたりしていたならともかく、ただ先導していた人を逮捕するなんて、点数稼ぎじゃないかと思う。世の中は、だんだんおかしくなってきているね」と語ってくれました。

・また、別の年配の人は、「テレビでも騒がれている屋敷を見に行くのなら、自分も行きたいし、見に来られて困るようなものを、渋谷のような誰でも来れる所に作る方がおかしい。打ち壊しにいったわけじゃないんでしょ? 話を聞いてびっくりした」と、なんだか威勢のいいことを言っていました。

 他の地域の(渋谷で捕まった人たちを応援する)企画では、警察の監視が厳しかったり、色々と大変な様子も伝わってきますが、すくなくとも名古屋では、そのようなことはなかったようです。むしろ、全体的に好意的な意見も多かったとのことでした。とにかく「麻生さんのお家を見に行くツアーで、逮捕者が出た」ということを説明すると、驚いたり、笑ったりする人が多くて、興味を示してくれるひとが多いとのことでした。

 全体的に名古屋は、割と保守的な土地柄ですし、この覚王山も、割とお金持ちの家の多い地域のはずですが、覚王山祭りに参加する人たちは、意外とお金持ちに批判的な人や、市民運動などに好意的な人、主催者よりも過激なことを言い出す人が多かったようです。
 とくに、この事件をテレビでみて「無許可でも、デモ隊を逮捕するなんてけしからん」と思っていたが、デモというわけでもなく、ズッコケた、なにを逮捕しているんだ! という反応をする人が、特に年配の人には多かったです。

 若い人には、テレビでも報道されて、インターネットでも話題になって、週刊プレイボーイにも載っている事件、ということで、あの事件関連の活動だということで、賛否はともかく面白がってくれた人が多いとのことでした。

・インターネットでも事件のことを見た、という麻生首相のファン(?)の若い方の
一人は、「漫画好きの麻生首相にはガンバッテもらおうと期待していたのに残念。警察が勝手にやったなら麻生さんのせいではないけど、やっぱり残念です。写真や画像を見ても、テロとかなにかしでかす人たちには見えないので、首相には度量の大きなところをみせてほしかった。このポスターいいですね(「まずは弾圧だ」ポスターのこと)」と語っていました。

・また、作品を出品していたアーティストの一人は、「話題になっている映像見て気になってました。お祭に参加しているアーティストの中には、自分も含めて、かぶり物をしたり、なにか作りながら歩いたり、ヘンなカッコで奇声を上げて歩いている人もいます。今回の企画は面白いので、近所でやっていたら、自分もそんなカッコで参加したと思います。自分は政治的な主張もないので、映像の人みたいに整然と(?)はしゃべれないです。この企画に参加してたら、自分なんかもまっさきに、捕まっていますね」

 筆者は、映像をみるかぎり、逮捕された人は、どちらかというと、ドモり気味で「整然としゃべって」は、いないような気がするのですが、人によって評価が違うようでした。

 会場には、麻生や公安の私服刑事の顔がかかれた「弾圧粉砕メンコ」も用意されていて、通りすがりや子供たちが、必死になって、麻生や私服刑事をひっくりかえそうとしていました。メンコには、事件の現場にもいた「生きさせろ!! 雨宮処凛」や「反貧困・湯浅誠」のメンコや、ドクロマーク、刑冠旗、アイヌ民族旗、なども用意されていて、好きなメンコを持って帰ることもできるとのことで、人気を博していたようです。

 人気と強さを聞いてみたところ、人気は「ドクロマーク」で、強さはなぜか「アボリジニ民族旗」が一番、二番は「雨宮処凛」とのことでした。また、麻生首相よりも公安刑事のほうが手ごわい、とのことでした。これはサイズの問題じゃないか、という話も出ていました(アボリジニの旗は少し長い)。また、メンコを作成した人たちは、子供のころに遊んだ経験がなく、ひっくりかえしかたもよくわからなかったが、年配の人たちや、子供たちがやっているのをみて、各カードの強さがやっとわかった、とのことでした。話をきいたときは、子ども? と疑問に思いましたが、確かに子供も遊んでいます。さすが覚王山祭りに来るような子どもたちは、昔ながらの遊びになれているのでしょうか?聞くと、今でも売っている所には、売っていて、ポケモンのメンコもあるそうです。

 お祭りにお店を出していた人は「渋谷では、ゲリラライブなどの企画もあって、そんなに厳しいところではないと思っていたので、今回の事件は驚いた。主催者のセンスとか、いろいろとあるにしても、このような事件には、逐一文句を言っていかないと、気がついたら、なんでもない企画でも、権力の気に入らないと思ったものがバンバン逮捕されるということになりかねないから、大切ですよね。がんばってよ」とのことでした。

 呼びかけ人のひとりであり、海外でアムネスティーの活動に関わったこともある、ジョセフィーヌ桜さんは、「自分がどのような境遇に置かれているのか。事件を聞いた時、これは権力者は、それを考えるということさえ許ない、という権力者の意思表示なのだなと思いました。麻生総理の家は、大変な豪邸です。もし彼らがその屋敷を現実に目にしたとき、考えることはひとつでしょう。あとは行動するか、しないのかということだけです。日本の警察は今、恐怖でパニック状態なのです」とのことでした(この部分は厳密に訳せているかには自信がありません)。

 この事件は、YouTubeでの関連動画の再生回数は10万回を大きく超えて、大きな注目を集めています。また、その動画は、ネット上の、いろいろな人たちのブログでも話題になっています。ネット以外でも、週刊金曜日週刊プレイボーイなどの現実世界での雑誌メディアにも取り上げられたりしており、このような「路上展開」をしている市民運動(?)として、注目は、相当に集まっている事件だと考えてよいでしょう。

 さらには、警察の弾圧の手法も、ここしばらくは見ることのできなかったような、かなり強引な方法をとっているばかりでなく、ただ歩いていただけ、あるいは、そんなに大きな罪状でもないにもかかわらず、拘留延長がつたいたりしています。また、事前に制服警官と打ちあわせをしたことも、計画的なものだった可能性も、指摘されています(救援会のブログ)。

 いろいろな意味で注目される事件です。このような事件に対して文化人声明による抗議声明や、福岡京都での抗議活動なども展開されています。

 このような各地での盛り上がりを、知ってから知らずか、名古屋での活動は、福岡や京都で行われているような「抗議行動」や「異議申し立て」というようなものではなくて、どちらかというと「通行人に紹介するネタにして楽しんでいる」というような印象のものでした。

 この「アそネスティー・インターナショナル・ジャポン」は、今回の活動のために、活動家というよりは、近場にいた人たちで、急遽結成されたものとのことです。呼びかけ人にアーティストや在日外国人の活動をしている人がいて、また、たまたまお祭りの時期に重なったということもあり、いろいろな国の人が参加して、にぎやかになった、とのことでした。

 「アそネスティー」は、今回の逮捕事件に対抗するためのものですが、路上での活動の反応が意外と良かったこともあり、また集まるかもしれない、とのことでした。大変ユニークな企画から発生した大事件の成り行きと、名古屋でもそれに応えてヘンなことをはじめている人たちの動きに、注目したいと思います。

 当日集まった人たちにより出された抗議声明です。原文は、英語、ペルシャ語スペイン語シンハラ語名古屋弁の飛び交う中で作成された、とのことでした。

●良心の留置人のための「愛の募金活動」からの、抗議声明

 麻生のうちを見に行こうとして、囚われてしまった良心の留置人のひとたち。11月3日、私達は名古屋の覚王山というアーティスト達の愛するストリートで、あなた達の救助を訴えて募金活動をしました。写真パネルや、寄せ書きのためのボードも用意したのですが、街行く人々は皆誰もが、当惑と失笑、怒りと悲しみを表していました。日本は戦時中に逆戻りしたのかと言われたご婦人もいましたし、警察の対応のエキセントリックさに、目を白黒させている若者もいました。私達は、街の人々の熱烈な支持と共感を感じました。

 それにしても警察の反応はこっけいです。しかし同時にそれは、非常にグロテスクでもあります。スタッフの一人が、あなた達を逮捕した警官や麻生総理のバトルカード(「メンコ」と言うそうですね)を作ってくれました。とても古い遊びだそうですが、これが、なかなか子供達には人気で、彼らは「ダンアツだ」「コーボーだ」などと声をあげて、カードを地面に叩きつけて遊んでいました。そのセリフ自身は、ギョッとするはずの発言です。しかし、それが子どもの遊びとして使われてしまっているという点に奇妙にも、この事件の残酷さが表れています。 私はこの事態を、精一杯の力で笑い飛ばそうと思います。そして同時に、渾身の怒りをこめて糾弾しようと思います。警察がやっていることは、幼子のように幼稚な行動です。彼らに知性はありません。勝利は私達にあります。ともにがんばりましょう。

 2008年11月3日
アそネスティー・インターナショナル・ジャポン・なごや・国際的人権監視団一同


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関連サイト
麻生でてこい救援ブログ
FUF(福岡フリーター労組):10.31反弾圧緊急行動 麻生ちょっと帰ってこい!(福岡での様子)
反戦生活:2008.11.02 ツアー弾圧抗議行動報告
・フリーター労組:出てこい3人!出てこい麻生!!麻生邸リアリティツアーの不当逮捕に抗議する集会・告知

YouTube動画:渋谷署警察官との事前打ち合わせ@ハチ公
YouTube動画:10/26 渋谷、逮捕前に打ち合わせするデカ
YouTube動画:10/26 麻生邸宅見学に向かおうとしたら逮捕
JANJAN動画:10/26 麻生邸宅見学に向かおうとしたら逮捕

YouTube動画:記者会見/「麻生太郎邸拝見ツアー」参加者3名不当逮捕
YouTube動画:パロディ動画「君は渋谷を歩けるか!?火星人襲来編」
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